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割り算で「余り」を使う計算が数学で全く使われない理由

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みなさん小学校の算数で「あまり」という表現をよく使っていましたよね?

例えばこんな感じ。

7÷3=2あまり1

また「あまり」を省略して「・・・」を使って 4÷3=1・・・1 なんて書いていた人もいた事でしょう。

こんな解答をテストに書いていたと思います。

しかしこの「あまり」っていう表現、中学校数の学になった瞬間、一切使わなくなります。  

なぜだと思いますか?

私は単純にカッコ悪いからだと思っていましたが、そんなアホな理由ではありません。

実はこのあまりという表現は数学では絶対に使っちゃいけないんです!

今回はその理由を説明します。

推移関係を考える

「あまり」の話の前に推移関係という話に触れたいと思います。 全

然難しくないので安心してください(笑)

推移関係を簡単に説明します。

例えばこんな2つの式があるとします。

A=C

B=C

という二つの式があるとします。

これは「AはCですよー」 「BはCですよー」って意味ですよね。

ということは当然

A=B

という式も成り立つはずです。

つまり A、B、Cの三つには

A=B=C

が成り立つと言えます。

これが推移関係というやつです。

これを使って「あまり」という表現がいかに論理展開に向かないか説明します。

これは論理的に物事を考えていくうえでとても基本的な考え方です。

中学校の数学では図形の証明なんかでこの考え方が使われます。

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「余り」を使うと推移関係が成り立たない

実は 「余り」を使って割り算を考えるとこの推移関係が成り立たなくなってしまうんですよ。

例えばこの2つの式について考えましょう

8÷3=2あまり2

10÷4=2あまり2

「あまり」という表現を使うとどちらの式も答えは「2あまり2」になります。

ここで さっきの推移関係を用いて考えるために

8÷3=A

10÷4=B

2あまり2=C

と置いて考えてみましょう。

さっきの推移関係から

A=C

B=C

という二つの式が成り立つなら当然

A=B

が成り立つはずですよね?

しかし実際はどうでしょう。

8÷3=10÷4

この式は成り立ちますか?

成り立つわけありませんよね(笑)

8 ÷ 3 = 2.666…

10 ÷ 4 = 2.5

計算すれば一目瞭然。完全に違う数です。

つまり「あまり」という表現方法を使ってしまうと論理展開をしていく上で非常に重要な考え方である推移関係が成り立たなくなってしまうのです。

よって、より論理的な話になってくる中学校数学には適さないのです。

なぜ「余り」は必要なのか?

「算数・数学」教育の世界って今回の「あまり」のような事例がたくさんあります。

「それは小学校までで中学校になったら使わないよ」

「中学になったらこんな言い方をするよ」

「高校では新しくこの記号を使うんだよ」

こんなことを教えられるたびに 私は「じゃあ最初っからそうやって教えろよwww」 っていうツッコミを頭の中で入れていました。

しかし勉強していく中で数学教育の世界で「あまり」のように表現が変わっていく理由がわかるようになってきました。

今回の「あまり」に関しては「算数」と「数学」の違いがとても関係しています。

算数では数字や記号を実生活で活用できるようにすることが重視されています。

足し算をリンゴとみかんで考えてみたり、分数をケーキで考えたりしていますよね。

割り算に関しても同じで 「10個のリンゴを4人に分けたらどうなりますか?」 という問題があった時に  10 ÷ 4 = 2あまり2 と考えれば 「一人に2個ずつ分けて2個あまる」という場面がイメージできます。

しかし 10÷4=2.5 といきなり考えてしまったらどうでしょう?

現実の場面で「一人に2.5個ずつわける」という場面は想像しづらいですよね。

そういった意味で「あまり」という表現は小学校算数では必要なのです。

逆に中学校数学ではより抽象度があがり論理的に考えることが必要とされるので、「あまり」という表現は適さないわけです。

学校教育のカリキュラムって意外と深いんですよ。

今日はちょっとした雑学でした!